国民健康保険法施行令 第29条の7の2
前年の給与所得を
30%とみなして計算します
会社を辞めて国民健康保険に入ると、保険料は前年の所得で計算されます。 働いていた年の所得で計算されるので、収入が止まった年にいちばん高い保険料が来ます。 特定理由離職者と特定受給資格者には、この計算をやわらげる読み替えがあります。前年の給与所得を「百分の三十に相当する金額」とみなすという条文です。 失業保険の話だと思われがちですが、これは健康保険の話で、 手続き先も市区町村です。
条文(原文のまま)
2026-09-07 に e-Gov法令検索のAPIから取得した第29条の7の2です。 読替規定なので読みにくいのですが、太字にせず原文のまま置きます。
世帯主の世帯に属する被保険者又は特定同一世帯所属者が特例対象被保険者等である場合における前条第二項から第六項までの規定の適用については、同条第二項第四号中「規定する総所得金額」とあるのは「規定する総所得金額(次条第二項に規定する特例対象被保険者等の総所得金額に所得税法第二十八条第一項に規定する給与所得が含まれている場合においては、当該給与所得については、同条第二項の規定によつて計算した金額の百分の三十に相当する金額によるものとする。次号において同じ。)」と、「同条第二項」とあるのは「地方税法第三百十四条の二第二項」と、同条第六項第一号中「総所得金額」とあるのは「総所得金額(次条第二項に規定する特例対象被保険者等の総所得金額に所得税法第二十八条第一項に規定する給与所得が含まれている場合においては、当該給与所得については、同条第二項の規定によつて計算した金額の百分の三十に相当する金額によるものとする。次号及び第三号において同じ。)」と、「所得の金額(同法」とあるのは「所得の金額(地方税法」とする。
長い読替えですが、効いているのは 「当該給与所得については、同条第二項の規定によつて計算した金額の百分の三十に相当する金額によるものとする」 の部分です。給与所得だけが対象で、事業所得や年金は対象になりません。
対象になる人と、いつまで続くか
前項に規定する特例対象被保険者等とは、都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者又は特定同一世帯所属者のうち次の各号のいずれかに該当する者(これらの者の雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第十四条第二項第一号に規定する受給資格(以下この項において「受給資格」という。)に係る同法第四条第二項に規定する離職の日の翌日の属する年度の翌年度の末日までの間にある者に限る。)をいう。
対象は、特定受給資格者と、特定理由離職者であって受給資格を有するものの2つだけです。 続く期間は「離職の日の翌日の属する年度の翌年度の末日まで」。
ここで言う「年度」を、施行令は定義していません。国民健康保険は市町村の会計なので、 区切りは地方自治法第208条第1項が定めています。
普通地方公共団体の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。
4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。だから辞めた日が年度末に近いと、1日ちがいで軽減の続く期間が1年ぶん変わります。
| 離職日 | その翌日 | 軽減が続く末日 |
|---|---|---|
| 2026年8月31日 | 2026年9月1日 | 2028年3月31日 |
| 2027年3月30日 | 2027年3月31日 | 2028年3月31日 |
| 2027年3月31日 | 2027年4月1日 | 2029年3月31日 |
2027年3月30日に辞めると翌日は3月31日で、まだ2026年度の中にいます。 1日ずらして3月31日に辞めると翌日は4月1日で、2027年度に入ります。1日ちがうだけで、軽減が続く期間が1年ちがいます。自分の日付での末日は 当てはまるか調べる に離職日を入れると出ます。
このサイトが金額を書かない理由
国民健康保険料は、所得割の率も均等割の額も市区町村ごとにちがいます。 同じ所得・同じ世帯構成でも、住んでいる自治体で金額が変わります。 施行令が全国共通で定めているのは「給与所得を30%とみなす」という計算のもとになる数字の置き換えだけで、そこから先の料率は自治体の条例です。 ですからこのサイトでは、保険料の金額を計算しません。
申請の仕方、必要な書類(一般には雇用保険受給資格者証など)、いつから反映されるかも 自治体が決めています。黙っていて自動で下がるとは書きません。 お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口に、離職票または受給資格者証を持って行って 「非自発的失業の軽減の対象になるか」と聞いてください。
退職後の健康保険は、国民健康保険のほかに前の会社の健康保険を任意継続する道もあります。 軽減が効くと国民健康保険のほうが安くなることがあるので、 決める前に両方を比べてください(退職後の健康保険ナビ)。住民税は前年の所得で決まり、こちらには同じ軽減がありません(退職後の住民税ナビ)。
出典
- 国民健康保険法施行令 第29条の7の2(特例対象被保険者等に係る特例) — 2026-09-07 取得(e-Gov法令API)
- 地方自治法 第208条(会計年度及びその独立の原則) — 年度の区切り。施行令が定義していないので、こちらが根拠。2026-09-07 取得
本ページは施行令の条文にもとづく一般的な説明です。実際に軽減が適用されるかどうか、 保険料がいくらになるか、どの書類が必要かは、お住まいの市区町村が決めます。